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こんにちは
池松です。
ポスト・イットを見るたび、商売って面白いなと思います。
あの黄色い小さな紙は、最初から「便利なメモを作ろう」と
始まった商品ではありません。
むしろ、失敗に近いところから始まりました。
3Mの研究者スペンサー・シルバーは、強い接着剤を研究していました。
そこで見つかったのは、軽くつくのに、強くくっつかない接着剤。
はがしても、またつく。
紙を傷めにくい。
今なら、それこそが便利だと分かります。
当時の目的は「もっと強い接着剤」でした。
目標から見れば、弱い。
だから、すぐには使い道が見つかりませんでした。
シルバーは何年も社内で、この接着剤の可能性を話し続けたそうです。
それなのに、商品になる場面が決まらない。
ここで話が終わっていたら、ただの研究上の寄り道です。
別の3M研究者、アート・フライには小さな困りごとがありました。
教会の聖歌隊で讃美歌集を使う時、歌うページに紙を挟んでおく。
水曜日に準備しても、日曜日には紙が落ちてしまう。
ページを傷めず、そこに残るしおりがほしい。
その時、フライはシルバーの接着剤を思い出します。
強くつかない。
きれいにはがれる。
さっきまで欠点だったものが、急に必要な性質になりました。
弱い接着剤を強く直したから、商品になったわけではありません。
弱さが役に立つ場所を見つけた。
ここが、僕は面白いと思います。
会社で働いていると、自分の欠点がよく見えます。
話が長い。
細かすぎる。
慎重すぎる。
決めるのが遅い。
ところが、場面を変えると意味も変わります。
話が長い人は、初めての人に丁寧に説明できるかもしれない。
細かい人は、数字のズレや手順の抜けを見つけられるかもしれない。
慎重な人は、大きな失敗の前に止められるかもしれない。
決めるのが遅い人は、生活やお金の条件を無視せず判断できるかもしれない。
すべてを長所に言い換えればいい、という話ではありません。
大事なのは、その力で誰の何が助かるかを見ることです。
会社員の人が「自分には売れるものがない」と言った時、
僕なら資格の数からは見ません。
まず聞くのは、こんなことです。
最近、誰がどこで困っていましたか。
その時、あなたは何を見つけましたか。
相手は、何が少しラクになりましたか。
営業9年、経理10年という経歴そのものが商品になるわけではありません。
営業で人の話を聞いたこと。
経理で数字のズレを見たこと。
その二つを使って、相手が続けられる案に整理する。
僕の場合は、そこに使い道がありました。
強みを探すとは、自分を大きく見せることじゃない。
使える場面を決めることです。
3Mは最初、4都市で商品を出したものの、結果はまちまちでした。
そこで、実際に人へ配って使ってもらった。
公式の歴史では、試した人の90%が買いたいと答えたとされています。
説明だけでは伝わらない商品だったんですよね。
軽くついて、きれいにはがれる。
その気持ちよさは、使うと分かる。
仕事も同じです。
「私は細かいです」と言うより、チェック表を一枚作る。
「話を聞けます」と言うより、30分話して、相手の迷いを一枚に整理する。
強みを説明する前に、小さく体験してもらう。
ここまで来ると、ただの自己分析から商売に変わります。
欠点を一つ思い出してください。
直す方法を考える前に、こう聞いてみる。
「これ、どこなら役に立つ?」
すぐ答えが出なくても大丈夫です。
ポスト・イットの接着剤も、使い道が見つかるまで何年もかかりました。
弱いものを捨てなかった人と、小さな困りごとを見逃さなかった人。
その二人が出会って、世界中で使われる商品になった。
失敗は、終わりではなく、置き場所がまだ決まっていない素材なのかもしれません。
Make it Happen!
自分の人生は自分で創れる^_−☆